犬の歯石取り
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歯磨きのお供に。ガムの効果
ワンちゃんの口が臭くなってきたな…と思ったとき、誰もが一度は購入を考えたことがあるのではないでしょか?
そう、『ガム』です!
ペットショップやホームセンターで手軽に購入できるケア用品ですね。でもそのガム、あっという間に食べてしまっていませんか?
正しい使い方をしなければ、効果が期待できないことも?!
今回は犬用のガムについてお話ししていきます。
そもそもガムって?
突然ですが、ガムってどんな時に噛みますか?
私たち人間は、焼肉屋さんに行った後や、車に乗っているときのリフレッシュなど、いろいろなシチュエーションがあると思います。
ワンちゃんは焼肉を食べないし、車も運転しませんが、口の中のケア用品としてガムが売られています。
ワンちゃんのガムの効果には、噛むと歯垢や口臭が減るとありますが、それはなぜでしょうか?
ガムというのは、もぐもぐ…とたくさん噛むことによって、口の中で唾液が分泌されるようになります。分泌された唾液には、強力ではないものの、口の中の細菌が増殖するのを抑える効果があります。
どんな細菌が口の中にいるかはこちらでお話ししますが、細菌が増えると、口の中がネバネバや、口臭の原因になります。
細菌が集まって、歯垢ができるということも以前のブログお話ししたと思いますが、唾液がたくさん分泌されることで、付着した歯垢を洗い流す作用があるともいわれています。
ガムは程よい硬さなので、フードと違って長く噛むことができます。そのため唾液もがたくさん分泌され、口の中がキレイになるということですね。
その噛ませ方で正解?正しいガムの与え方
ガムの効果が分かったところで、正しい与え方を見ていきましょう。
お店では形や素材が異なる様々なタイプのガムが販売されているので、ワンちゃんの好みや口の大きさに合ったものを選ぶとよいでしょう。
ただし、ガムの代わりに蹄(ひづめ)を与えてはいけません。蹄は硬すぎてワンちゃんの歯が折れます。また、太り気味・・・というときはガムのカロリーを考えることもお忘れなく。
自宅ですでに『ガムを噛ませています!』という方は、どのように噛ませているかを少し思い出してみてください。
ガムを渡してそのまま放置していませんか?
実はその与え方、結構危なかったりします!
ガムをもらってテンションが上がっているワンちゃんや、せっかちなワンちゃんでは、あまり噛まずにガムの破片を丸飲みにすることがあります。
丸飲みにしたガムは、のどや胃腸で詰まることがあるので、ガムを与える前にはワンちゃんを落ち着かせ、与えっぱなしにせずしばらく様子を観察しましょう。
ワンちゃんがご飯を食べるとき、主に上顎の第四前臼歯と下顎の第一後臼歯と呼ばれる歯を使っています。
ここには特に歯垢が溜まりやすいので、この2本の歯でガムを噛ませるようにしましょう。
ガムを噛んで唾液を出すことが重要なので、焦って食べてしまうようであれば、ガムのサイズや形状を変えてみたり、ワンちゃんが噛んでいるガムの口からはみ出ている部分を飼い主さんが支えるように持ってあげたり、長く噛めるように工夫しましょう。
噛ませる頻度もたまにではなく、毎日の習慣にするのが理想です。
ガムだけではどうにもならない時もある!
ここまでガムの効果や使い方をお話ししてきましたが、ガムというのは実は補助的に使っていくケア用品で、完全に歯垢を除去できるわけではありません。自宅での歯磨きと併用するのをお勧めします。しばらくガムを噛んでもらい、歯ブラシやシートで残っている歯垢を取り除きましょう。
歯磨きができないからガムを噛ませているときには、ガムだけでは除去できない量の歯垢や歯石が付着しているかもしれません。歯周病へと悪化しないうちに、当院へご相談ください。