<ステージA・B1>
「体に優しい」
僧帽弁閉鎖不全症の治療について
ステージA・B1の心不全で
最も重要なことは「早期発見」
早期発見すれば、お薬ではなく食事療法とサプリで
心不全の進行を遅らせることができる
-
ステージA
<臨床症状>
- 心雑音はない
- 歯周病で口が臭い
- なんとなく元気がない
- 散歩の距離が短くなった
<治療目標>
ステージB1に悪化させない
-
ステージB1
<臨床症状>
- ごく軽度の心雑音がある
- 心拍数がいつも早い
- 呼吸がいつも早い
- 手足が冷たい
<治療目標>
ステージB2に悪化させない
食事療法とサプリだけで
病状の進行を抑える
10歳以上の歯が悪い子は、
ほとんどが「隠れ」心臓病!
早期発見で「元気にイキイキ」
心臓病、特に僧帽弁閉鎖不全症という心不全は「早期に発見し、早期にケア」をするだけで余命がずいぶん変わります。
Borgarelliの調査ではステージA、B1からキッチリとした治療やケアを行えば平均余命は80ヶ月以上であったのに対し、
ステージB2、Cから治療を始めた犬ちゃんは平均余命33ヶ月と半分以下に短くなってしまいます。
ひどい心不全症状が出ているステージDでは、平均余命が9ヶ月と平均余命が10分の1にまで短くなってしまいます。
僧帽弁閉鎖不全症という心臓病は、
症状が出る前のステージA、B1から適切なケアをすることが大事です。
そのためには「早期発見・早期ケア」が「元気にイキイキ」長生きさせる唯一の方法なのです。
早期発見のためには「歯周病」チェック
もし愛犬に「お口が臭い」「ヨダレが多い」「口から血が出る」「歯がグラグラしている」「歯石がついている」など歯周病の症状があるのなら、1度、心不全それも僧帽弁閉鎖不全のチェックをする必要があると思います。

「僧帽弁閉鎖不全症」という心不全は早期発見が難しい病気

実際、海外の調査ですが2,053頭中1,170頭(57%:無症状)は、僧帽弁閉鎖不全症を愛犬が患っていたにも関わらず、飼い主さんは全く気づけませんでした。飼い主さんが気づけたのは、「心臓喘息」や「肺水腫による咳」など、激しい症状(ステージC:5段階中の4段階目の悪さ)が認めてからです。つまり、「重症化しないと飼い主さんが全く気付くかない恐ろしい病気」。それが僧帽弁閉鎖不全症という病気なのです。
<ステージA・B1の場合>
当院の心不全ケア4つの特徴
01
心エコーと血液検査で
「早期発見・早期ケア」

心不全、特に僧帽弁閉鎖不全症を早期に発見するためには、心エコー(超音波検査)と心筋バイオマーカー(BNP検査)が重要な検査となります。この2つの検査を実施することによって、飼い主さんでは気づけない心臓の異常を早期に発見することができます。
02
「歯周病を根治」して
心不全を悪化させない
ヒトでは、「1日1回の歯磨きより、1日2回以上した方が、心臓病になる確率が1.7 倍も減る」という調査結果が報告されています。
つまり、歯磨きをせずに歯周病がひどくなればなるほど、心臓病になるリスクも高くなるということです。

03
最も重要なことは
「血圧のコントロール」

僧帽弁閉鎖不全症を起こしている犬にとって、最も重要なことは「高血圧」にさせないことです。
高血圧を起こせば、正常時より血液を全身に送りだす力(ちから)が必要となるため、必死になって心臓は拍動します。必死になって拍動し続けた心臓もやがて「疲れ果て」、全身へ送る力が弱まって血液が鬱滞し、心不全が進行します。僧帽弁閉鎖不全症にとって「高血圧」は病状を悪化させる最も大きな要因なのです。
04
不安を取り除く時間をかけた「カウンセリング」
検診によって犬ちゃんの現在の心臓の状態をしっかりと把握できます。
心臓の状態を把握することによってお薬や食事、そしてサプリメントの量を最適に調節することができます。

心不全の症状が認められてからでは「手遅れ」です!
何回もお話しするように、僧帽弁閉鎖不全症と言う心不全は、なかなか早期に発見することが難しい病気です。でも、病状が初期のステージA・B1で発見できれば、「食事療法」や「サプリメント」と言ったお薬ではない「体に優しい」治療によって、次のステージに進むことを止めることができます。
先ずは、飼い主さん!「早期発見」には心臓の異常を早期に発見できる心筋バイオマーカー(BNP検査)そして心エコー検査を受けさせてあげて下さい。
最低でも1年に1回は
心筋バイオマーカ(BNP)検査で
心臓の異常を早期発見!