ごとふのメンテナンスケア
歯周病は1回で根治しません
歯石を取っても歯周病菌が「0=ゼロ」になるわけではありません。
歯石取りは歯周病菌の住み家を取り除くだけ。住み家がなくなって、一旦少なくなった歯周病菌が、また暴れ出さないように、定期的にメンテナンス治療をして歯周病菌を増やさないようにすること。それが、歯周病を根治させる唯一の方法です。歯周病を治すためには「歯石を取ったら終わり」ではありません。
歯周病治療には、
定期的なメンテナンスが重要
歯周病菌の悪玉3兄弟(レッドコンプレックス菌)を殺菌することが大事

悪玉3兄弟とは、歯周病菌の中でも最も悪玉の歯周病菌(レッドコンプレックス菌)のことを言います。
3兄弟の中身は、
1、ポルフィロモナス・ジンジバリス菌 2、トレポネーマ・デンティコーラ菌 3、タネレラ・フォーサイシア
この超極悪な悪玉3兄弟の中で、最も極悪なのが「ジンジバリス菌」。
ハミガキもせずにお口の中を不潔にしていると、歯周ポケットの中でジンジバリス菌同士が結びつき、一気に数を増やします。ある数を超えると、ジンジバリス菌は歯肉を攻撃し、その結果炎症が起き、歯肉から出血が始まります。

出血によって、ジンジバリス菌はエサである血液を得て、また倍数的に数を増やし数万倍まで増えてしまいます。
ここまで行くと、ジンジバリスの悪性度はかなりのものとなり、顎の骨を壊かしたり、血管に入って心臓などの血管系を破壊します。
歯周病を根治するためには、「歯石取り」よりも超極悪な「ジンジバリス菌」などのレッドコンプレック菌を殺菌することが大事です。


歯石を取ってもレッドコンプレックス菌はいなくならない

歯石取りをして一旦弱くなったレッドコンプレックス菌がいなくなるまで、歯周ポケットの洗浄と殺菌をする必要があります。
でも、多くの動物病院では「歯石を取ったら終わり」です。除去した後のレッドコンプレック菌の殺菌というケアなど全く気にかけていません。
歯周病を根治させるためには、歯石を取って、一旦弱まったレッドコンプレックス菌が、再度暴れ出さないように、歯石除去後にこそ、定期的なメンテナンス治療をして「レッドコンプレックス菌」を撲滅することが、歯周病を根治させる唯一の方法なのです。
メンテナンスをしっかりすれば
~15歳でもこんなにキレイ~

この子は撮影時、15歳です。
10歳の頃から「自宅での歯磨き」と「病院でのメンテナンス・ケア」で「写真の通り」全く歯肉炎が起きておらず、歯周病を思わせる所見がありません。だから、心臓病や腎臓病などの病気はなく、元気に食事をガツガツ食べれています。歯周病にならないためには、日々のケアが大切ですが、ケアを惜しまず行えば、この子のように元気に病気知らずでイキイキとした老後がおくれます。
本当にローマは1日にしてならずです。
ごとふ動物病院のメンテナンスケア
位相差顕微鏡で歯周病菌を確認
犬の口の中には、300~500種類の細菌が「うじゃうじゃ」と生活しています。その中には善玉菌や悪玉菌がいますが、犬の歯周病にとって最も悪さをする細菌「レッドコンプレックス菌(ジンジバリス菌、トレポネーマ菌、タンネレラ菌の3種)」も元気に歯周ポケット内で活動をしています。このレッドコンプレックス菌を殺菌・除去しなければ、歯を失うだけでなく、顎が折れたり、心不全を起こしたりと良いことがありません。
私たちは、このレッドコンプレックス菌(歯周病菌)を撲滅するために、どれほどの量歯周病菌がいるのか、そしてどれほど活発に動いているかを知らなければ、治療方針を立てることができません。

この歯周病菌の量や活動量などの情報をもたらすのが「位相差顕微鏡」なのです。位相差顕微鏡は、あなたの愛犬の「今の歯周病菌の情報」を顕微鏡のモニターを介してリアルタイムに「私たちにも・飼い主さんにも」教えてくれます。この情報をもとに「今後の歯周病の病院での治療」「自宅での歯磨きケア」を考えているのです。
検査方法
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01
歯周ポケットからスケーラーで
歯垢を採取する。 -
02
採取した歯垢をプ透明なガラス板に
置き、生理食塩水で広げる。 -
03
位相差顕微鏡に設置する。
-
04
位相差顕微鏡に接続されたモニターで
細菌の動きをリアルタイムで観察する。
位相差顕微鏡の様子を動画で公開!!
歯垢の採取からモニターで観察するまで、1~2分程度です。
もちろん痛みもないので、非常に簡単で優れた検査方法です。
