犬のアレルギー治療
column

今回のお話は
アポキルの効果とその副作用について。

ワンちゃんが体をボリボリ掻いたり、あちこち舐めたり…そんなお肌トラブルが気になって病院へ行くと、飲み薬でこのお薬が処方されることがあります。

中にはすでにワンちゃんに飲ませていて、大丈夫かな？と思っている飼い主さんもいるのではないでしょうか？

アポキルは比較的新しい「痒みに対するお薬」ですが、かゆみを解決するそのウラで実は大きな副作用が隠れていること、ご存知でしょうか？

 

アポキルってどんなお薬？

ワンちゃんのお肌トラブル、特にアレルギーで起こる痒みを一時的に止めるためにお薬を使うことがあります。

以前はステロイドを使うケースも多かったのですが、近年「痒みを止める」ためのお薬として登場したのが今回お話しするアポキルです。

ここで、ステロイドとどう違うの？と思った飼い主さんもいると思います。以前、ステロイドの副作用についてお話ししましたが、大きな違いはお薬が働く場所が違うということ。

体の中でかゆみや炎症が起きたとき、そこには必ずかゆみや炎症のもとがあります。

体の中で作られるこのもとは、信号を出して神経を伝って脳へ「かゆい！」ということを伝えます。

ステロイドは、このかゆみや炎症のもとを作らせないようにすることで症状を和らげますが、アポキルはちょっと違います。

アポキルがはたらくのは「かゆい！」と脳に伝える経路です。脳にかゆみを伝える信号を遮断することで、かゆみを感じさせないようにするのです。

ワンちゃんは我慢が出来ないので

かゆみを感じてボリボリ掻く
↓
ボリボリ掻くことでお肌に傷がつき赤くなる
↓
気にしてまた掻く

…という悪循環に陥りやすいのも事実。

一時的にでもお薬を使って、かゆみを止めてあげるのも一つの手です。

 

大きな副作用も。

ステロイドと比較しながらアポキルの効果をお話ししましたが、かゆみを抑えられるならどっちでも！と思っている方もいると思います。

でもちょっと待ってください。ステロイドに副作用があったように、実はアポキルにも副作用があります。

その最たるものが「免疫抑制作用」です。

私たち人間でもそうですが、ワンちゃんの体の中では毎日小さな「ガン」が生まれては消え…ということを繰り返しています。

その小さな「ガン」を消しているのが、体に備わっている免疫機能です。

生まれたばかりの小さなガンが大きくなる前に、体に備わっている免疫機能でやっつけることで事なきを得ているのです。

ところがアポキルを長期にわたって飲むことで、ワンちゃんの免疫機能にブレーキがかかってしまい、新しく生まれたガンをやっつけることができなくなってしまいます。

そうこうしているうちにガンはどんどん大きくなり、命を落とすことに。

また、免疫機能がしていることは「ガンをやっつけること」だけではありません。

体全体を守っているので、アポキルによって免疫抑制が起こることで、肝機能障害が起きたり、肺炎が起きたりと様々な症状を引き起こします。

 

お薬ではアレルギーを解決できない！

ステロイドは体に悪いからアポキルなら…そう思っている飼い主さんはいませんか？

ステロイドも今回お話したアポキルも「一時的に」使うことで、ワンちゃんの症状を和らげてあげることはできます。

でも、お薬を飲ませて症状が治まっても「アレルギーを治すお薬」ではないので、お薬を止めるとまた症状が出て…といつまでも苦しむことになります。

 

ワンちゃんの体がお薬漬けになる前に、当院でお肌のトラブルを相談してみませんか？

当院ではワンちゃんのお肌の状態を検査し、アレルギーを診断します。

そのアレルギーのタイプ別に、自宅でのケアや食事の管理などお薬を使わない治療で、ワンちゃんのアレルギーを改善させます。

また、通院できない遠方にお住まいの方でも、アレルギー・アトピーの症状を減らしてお薬を減らすことのできるサプリメント『ニコわん』を使ったケアが可能です。

 

『アポキル飲ませてるけど、症状が変わらない』
『ステロイドが嫌で、アポキルを飲ませてるけど副作用が心配』

そんな心配事を抱えている飼い主さん、当院で体に優しい治療を始めてみませんか？