
犬の歯石取り
column
麻酔をしない歯周病ケア
ご報告です。
この度、ごとふ動物病院は日本小動物看護協会(Japan Small Animal Nursing Association:JSANA)を設立し、犬の歯周病看護技術の向上と歯周病を未然に防ぐ自宅ケアを飼い主に普及させるための部会である日本小動物歯周病看護研究会を発足させることにしました。
世界的に犬の歯周病治療は、人と比べるとはるかに遅れを取っているのが現状です。この点は日本小動物歯科研究会も同じ考えであり、獣医教育のカリキュラムでは歯科学は十分とは言えないと述べています。この問題の改善のために、日本小動物歯科研究会は10数年前より獣医師の卒後教育に力を入れ、今では麻酔下での歯周病治療に関して一定の治療基準に達したと考えられます。
しかしながら、日本小動物歯科研究会での治療指針は全身麻酔を必ずした状態での治療のため、飼い主から「麻酔の危険性」という大きな問題に理解を得られず、トリマーなどのペットショップでの麻酔をしない(無麻酔)歯周病ケア(歯石取り)を選択する飼い主が多くなってしまいました。
やはり、歯科学つまり、犬の歯の解剖学的構造や内科学、生理学、外科学の講習を受講していないトリマー等に歯周病ケアを任せるのは問題だと思います。しかし、全身麻酔しか治療ができないとする日本小動物歯科研究会も全身麻酔以外の治療法を確率してこなかったことも問題です。
私たち日本小動物歯周病看護研究会は、この2つの問題を改善するために、獣医師と同じように犬の歯周病ケアに関する専門知識を習得し、動物病院の現場で麻酔をしないで歯周病ケアができる看護士( 日本小動物歯周病ケア看護士)、歯周病を改善するための自宅歯磨きケアを積極的に啓蒙できるよう看護士を育成しようと考えています。
講座内容は、1.犬の歯科学つまり、犬の歯の解剖学や生理学の講義。そして2.歯周病看護学の実技(麻酔をしない歯周病ケアと飼い主への歯周病歯磨きの指導等)です。
今年の10月より開講したいと考えております。講義・実技の日程など詳細が決まりましたら、ご報告します。もう少しお待ちください。講義・実技の会場は福岡市早良区藤崎1-1-37 2F のごとふ動物病院で行います。
ごとふ動物病院
獣医師 藤本愛彦
ご連絡は電話: 092-407-3111です。
最後に麻酔をしない歯周病ケアの処置風景です。
YouTube: https://youtu.be/6uVQiwVf_fc