犬の歯石取り
column
身近なもので!カンジダ菌対策
ワンちゃんがお口を近づけてくると、思わず避けちゃう…。
ワンちゃんのお口トラブルを引き起こす歯周病菌。実は、悪さをする歯周病菌を手助けしている別の菌がいるってご存知でしょうか?
歯周病菌だけでなく、その菌の対策もしないととんでもないことに…今回はそんな『別の菌』のお話です。
実はヤバイ…カンジダ菌!
随分前のブログで、ワンちゃんのお口にいる菌についてお話したことがありました。歯周病のワンちゃんでは、歯周病菌と呼ばれる菌がお口の中で増えることで、菌がオナラのように臭いガスを出すため、口臭がきつくなってしまいます。
歯周病菌が増えること…実はこれをこっそり手助けしているのが今回お話しするカビの仲間・カンジダ菌になります。
お写真の長~い毛のようなもの、これがカンジダ菌です。
モップでほこりを集めるが如く、長い体で他の歯周病菌たちをキャッチするので、歯周病菌たちがどんどん増える『ゆりかご』となってしまいます。
また、ワンちゃんが元気なときはカンジダ菌は息をひそめていますが、ワンちゃんが体調不良になると状況は一変!
お口の中で大暴れして、口内炎やただれを作って強い痛みを引き起こすようになり、ワンちゃんに大ダメージを与えます。
しかし!!大暴れするのはお口だけではありません。実はお腹の中にも入り込んで、迷惑行為を働くようになります。
お腹で大暴れ!!
歯周病菌もそうですが、カンジダ菌がお口の中にいると、食べ物と一緒に胃腸へと流れていってしまいます。
消化された食べ物と共に腸にたどり着いたカンジダ菌は、腸壁にこびりつくようになります。
よくお風呂場のゴムパッキンのカビ取り剤のCMで『カビの根っこが!』みたいなことを聞きますが、まさにそんな感じです。
根深くカンジダ菌がこびりついた部分には、免疫が反応して大騒ぎ。
炎症が起きてお腹の中が荒れてしまい、最終的にはリーキーガットを引き起こすようになります。
(リーキーガットのお話はこちら)
お家でカンジダ菌対策!
お口のこともそうですが、そのままにしておいていいことはありません。まずはしっかりとお口のケアをして、歯周病菌・カンジダ菌をやっつけていきましょう。
また、ご自宅にあるものでカンジダ対策をしてみるのも一つの手です。以下のようなものをご飯やケアに取り入れてみましょう。
(※お腹を壊すこともあるので、少量ずつお試しください)
ココナッツオイル
近年、美容やダイエットで大人気。実はココナッツオイルには『抗菌作用』があり、カンジダ菌の発生を抑える助けになります。ティースプーン1/4杯程度を目安に、ご飯にかけてあげたり、直接歯ぐきに塗ってマッサージしてあげましょう。
大根おろし
焼き魚に添えておいしくいただく大根おろし。ちょっぴり辛味を感じたことはありませんか?だいこんおろしの辛味にはカビや細菌に対する抗菌作用があります。
時間が経つと辛味は抜けてしまうので、すりおろしたてをフードに混ぜてみるといいでしょう。
バジル
家庭菜園で育てている方もいるのではないでしょうか?バジルにもカビの発育を抑えるはたらきがあるので、小さめの葉っぱを刻んでご飯に混ぜてあげたり、パウダータイプのものを一振り、ご飯に加えてあげましょう。
いかがだったでしょうか?
お口でだけ悪さすると思っていたら、実はお腹にもちょっとずつダメージを与える…それがカンジダ菌です。
お口の症状がなかなか治まらない
お口も悪いけど、頻繁にお腹を壊す
そんなワンちゃんは要注意です。
お口の症状を抑えて、お腹に悪さしないようにするためにも、しっかりと歯周病治療と自宅ケアを続けていきましょう。
当院では、歯周病治療ならびにリーキーガットの食事指導なども行っております。
気になるな…と思われたら、まずはお電話でお問合せください。