お腹がゆるゆる…気をつけたい食べ物(犬のアレルギー治療)|ごとふ動物病院(福岡)

犬のアレルギー治療
column

2021.09.28

お腹がゆるゆる…気をつけたい食べ物


前回お話した『リーキーガット』。

腸のバリアが傷つくことでお腹を下してしまうだけでなく、体に有害なものが入り込んでアレルギーの原因にるなど様々な不調の原因になります。

腸のバリアが剥がれる、腸内が荒れる原因…実は身近なものにありました。

 

粘膜バリアが剥がれるワケ


以前お話したように、腸は粘膜のバリアで守られているのですが、実は粘膜のバリアと一緒になって腸内環境を守っている要素は他にもあります。

それは…『』です!

最近はよく『腸活』とか『腸内フローラ』とか、なにかと腸によさそうなワードをCMやメディアで目にしたりしませんか?

腸内の細菌…善玉菌と悪玉菌は(他にも日和見菌というものもいますが)、粘膜のバリアと同じように、腸内に流れてきた栄養や他の病原菌などを必要か不要か選別する働きを持っています。

菌のバランスが丁度いいときには、お腹で大きなトラブルが起きにくく平和なのですが、悪玉菌が増えると事態は一変!

体の中に不要なものを取り込み始め、それが原因で粘膜バリアに傷がついて剝がれてしまうのです。

 

お腹が荒れる…原因になるモノ


お腹の中の環境は、粘膜のバリア腸内細菌の絶妙なバランスによって保たれている…これが分かったら、気をつけるのが『食べ物』ですね。

お口から体の中に入るモノは、粘膜バリアと腸内細菌に大きな影響を及ぼします。

今回はいくつかご紹介。
このようなものをワンちゃんに与えていませんか…?

 
高たんぱく・高脂肪のごはん
焼肉を食べたあと、お腹が緩くなったり、次の日おならがクサイ…そういう経験ありませんか?

これは悪玉菌がタンパク質や脂肪を食べて増えてしまったため。ワンちゃんでも同じことが起こります。

悪玉菌が増えると、腸内細菌のバランスが壊れるだけでなく、腸粘膜にもダメージが!

 
トランス脂肪酸
マーガリンやショートニングという名前で、おやつやパン、ケーキなどに含まれています。

実はトランス脂肪酸を消化するのはとっても大変!
消化している過程で腸に小さな穴を開け、粘膜バリアにダメージを与えます。

 
ジャーキー
特に脂身の多い部分を使用したジャーキーや、触っただけでベタベタするような脂っぽいものは要注意。

ジャーキーが完成するまでに、アブラの部分が酸化して『酸化脂質』へと変化します。

この酸化脂質が、トランス脂肪酸と同じように粘膜バリアに穴を開けダメージを与えます。

 
抗生剤(お薬)
食べ物とは違いますが、動物病院でもらう機会が多いお薬ではないでしょうか?

抗生剤は長期間飲み続けることで、体に悪さしている病原菌を減らすのと同時に、腸内にいる善玉菌も殺してしまいます。

その結果、腸内細菌のバランスが崩壊!悪玉菌が増えてしまいます。

 

お腹に優しい食べ物って?

今回は粘膜バリアと腸内細菌を荒らす食べ物についてお話しました。

お腹を荒れさせないように、お腹に優しいごはん・適切なお薬の利用を心がけたいところです。

でもお腹に優しいごはんって、一体何を食べたらいい??

そのお話は、また次回!お楽しみに。


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