
犬のアレルギー治療
column
繰り返す下痢…その原因は?
お散歩中、好きなトイレスポットで。
自分のトイレで。
一生懸命踏ん張るワンちゃんのお尻から出てきたのが下痢だったらどうしましょう?
1回ならまだしも、それが頻繁に起こるとワンちゃんのお腹事情が心配ですよね。
また、アスファルトについた下痢は取りづらいし、お尻周りの毛にくっついて知らず知らずのうちにカーペットや床を汚していたりと悩みの種になることも。
頻繁に起こる下痢、お薬を飲んでもなかなか治らないゆるゆるうんち、それって『腸漏れ』を起こしているのかも!
『腸漏れ?!何それ??』
今回はうんちと腸のお話です。
お腹を壊す原因は?

ワンちゃんがお腹を壊す原因はさまざま。
もう本当にいろいろな原因でお腹を壊します。
中でも多いのは【変化】。
ドッグフードを新しい銘柄に変えたり(食事の変化)、朝晩の気温の変化にブルッと来たり(気温の変化)。
他にも、ホテルや友達のお家に預けること(生活環境の変化)など、些細なことがきっかけでゆるゆる、ベチャベチャうんちに。
中には、バースデーケーキを食べさせてお腹が…というケースもあります。
これら3つの変化が関係してお腹を壊しているときは、ご飯を元に戻したり、温度調節をしたり、自宅のリラックスできる空間に身を置くことで、割とすぐ治まることが多いです。
厄介なのが、病院でもらったお薬が効かないとか、ずーっと下痢しているといったケース。
冒頭でもお話した通り、原因は様々ですが、その一つに腸漏れがあります。
腸から漏れる?!
パッと聞いただけでは、何のことやら…なんか怪しい…そんな印象を持った方もいるのではないでしょうか?
ここで、腸の働きがどのようなものかを見ていきつつ、腸漏れについて説明しますね。
腸のお仕事は、大きく分けて2つ。
一つは食べたものをドロドロに溶かしてものすごく小さくし、栄養を吸収すること。
そしてもう一つは吸収した残骸から更に水分を吸収してウンチにすること!
元気いっぱい健やかな腸では、日夜このようなことがせっせと行われています。
ところで、腸の表面ってお口の中と同じように、腸の中に流れてきた物質で傷つかないように、粘液のバリアが張られているってご存知でしょうか?
この粘液がとっても優秀かつ大事!
体に必要な栄養や水分は吸収し、有害なものは吸収させないフィルターのような役割を果たしています。

ところが、何らかの理由でこの粘液が剥がれてしまうと、守られていた腸の細胞が一転、丸裸に!
隙間なくキレイに整列していた細胞は、丸裸にされたことで次第に離れてしまい、細胞の隙間に未消化の栄養分や、体に有害なものまで吸収されてしまうようになります。

これが腸漏れの正体で、リーキーガット(腸管壁浸漏)症候群と言います。
何でもかんでも吸収してしまう腸では炎症が起き、正常な働きができなくなります。
その結果、ふかふかなうんちが作れず、ユルユルのうんちやビチャビチャの下痢が止まらない…ということに。
アレルギーと関係も??
下痢と言えば、以前のブログで食物アレルギーの症状として『なかなか治らない下痢』をご紹介したことがありました。実は今回お話したリーキーガット、食物アレルギーにも関係しています。
粘液のフィルターが手薄になった腸。
そこで吸収された未消化の栄養分を、体は『異物が入ってきた!!!』と認識して免疫が反応するようになります。
その結果、腸だけではなく体のあちこち、皮膚では湿疹や赤み、腫れといった症状で現れることになります。
下痢だけではなく、お肌トラブルの原因にもなるリーキーガット。
『病院には行ってるけど、どうしたらいいの??』
解決のカギは毎日のお食事に隠されています。
そのお話は、また次回。お楽しみに。
