
犬のアレルギー治療
column
アレルギーと治療のお話。その2
アレルギーで体のあちこちがかゆい…いつもどこかをポリポリするワンちゃん。ワンちゃんを襲うのは「かゆみ」だけではありません。
足で一生懸命掻いたとき、ブルブルっと身震いしたときなどに落ちる毛やフケ。
これらはワンちゃんの容貌を変えるだけでなく、「さっき掃除したのに…」と飼い主さんにとってもストレスの種になりかねません。
「お薬を飲ませてるけど、あまりよくならない」
「治してあげられないのかな?」
今回はパサパサ・ブツブツが現れるアレルギー、アルカリ性肌アレルギーの治療についてお話ししていきます。
(ベタベタ・ニオイがきついタイプの治療についてはこちら)
パサパサ・毛が抜けるのなぜ?

治療のお話の前に。まずはアルカリ性肌アレルギーについておさらいです。
ワンちゃんをよ~しよしよし…と撫でたとき、パサパサする、フケや毛が雪のように落ちてくる、そして背中まわりを中心にブツブツができている。
このような症状がワンちゃんに見られるとき、アルカリ性肌アレルギーの可能性があります。
(詳しい症状はこちら)
どうしてこのような症状が出るのか、それはワンちゃんの「体に油を十分に取り込めない」という体質が関係しています。
食べ物を食べると、その中に含まれる油も体の中に吸収されます。吸収された油はお肌をガードする皮脂として作り変えられたあと、お肌に分泌されます。
ところがアルカリ性肌アレルギーのワンちゃんでは、先述の通り「油を十分に取り込めない」体質のために、食べ物から油を吸収できず、お肌に分泌される皮脂の量も少なくなってしまうのです。
皮脂によるガードが手薄な部分から、お肌の水分が抜けていくことで乾燥肌になり、毛が抜けたり、フケが出るように。
そこへ細菌やアレルゲンなどが攻撃を仕掛けてきて、お肌にかゆみやブツブツが出るようになります。
どんな治療をするの?

アルカリ性肌アレルギーのワンちゃんで起こる肌トラブルの原因は、お肌を守る皮脂が足りないこと。
お薬でかゆみや赤みは一時的に抑えられても、乾燥しているお肌をそのままにしておいてはフケも脱毛も続くことになります。
そこで、体の外側・内側の両方から、お肌を守る3つの治療を実施していきます。少しだけご紹介しますね。
シャンプー療法
まずはブツブツの原因になる「汚れ」をしっかりと落とし、お肌を保護します。そして洗い終えたら、しっかりと保湿するのが最重要ポイント!アルカリ性肌アレルギーのワンちゃんはお肌を守る皮脂が少ないので、保湿を怠ると乾燥に拍車をかけ症状の悪化につながります。
保湿と併せて、パウダーを使ってお肌を保護することでアレルゲンからの攻撃を防ぐことができます。
食事療法とサプリメント療法
アルカリ性肌アレルギーのワンちゃんには「皮脂を作ってもらう」ことに越したことはありません。まずは良質な油をご飯やフードに混ぜて食べてもらうこと、そして「体の中で油を十分に吸収できない」体質をサプリメントを使って助けてあげることで、お肌を守る皮脂を作り出し様々な症状からさよならすることができます。
治したい!と思ったら
今回お話しした治療方法、一見「今うちでもできそう」と思う方もいるかもしれません。特にシャンプーについては、お手持ちのシャンプー剤を使って「今日から洗おう!」と思うかもしれません。
でもちょっと待って!
市販のシャンプー剤の中には洗浄力が強く、アルカリ性肌アレルギーのワンちゃんのお肌にさらに負担をかけてしまうものもあります。
じゃあ、どうしたら…と思ったら。まずは当院で本当にアルカリ性肌アレルギーかどうか調べるところから始めてみてはいかがでしょうか?
当院では診察での皮膚検査や肌分析キットを使ったご自宅でのチェックで、ワンちゃんのアレルギーの原因を特定!
アルカリ性肌アレルギーのワンちゃんのお肌も優しく洗えるオリジナルのシャンプー剤を使った自宅ケアや、食事やサプリメントの詳しいお話なども実施しています。
「いつもポリポリしてるなぁ…」
「フケが多くて…もうイヤ!」
こんなイライラの種をワンちゃんと抱えている飼い主さん、当院の治療でストレスフリーな生活を目指しませんか?