
犬のアレルギー治療
column
原因は何?手足を舐めるワンちゃんたち
ひとりで大人しくしてるな…と思ったら、こっそり何かをペロペロ。
『何だろう?』と見てみると手や足のウラがべちょべちょ、おまけに真っ赤になっている!
こんな経験ありませんか?
ケガをしているわけでもないのにペロペロなめる…これってなんで?
もしかするとそれはアレルギーが関わっているのかも!
今回はワンちゃんの足ウラトラブルについてお話ししていきます。
気になってペロペロ…原因は?

ワンちゃんが手足を一生懸命なめているとき、ケガでもした?と心配になる飼い主さんもいると思います。
肉球が切れている、トゲが刺さっている、爪が折れた、指にイボができた…。
このようなケガや異物が原因でひとりでこっそりとなめるというケースは確かにあります。
ところが、キズやイボなどが見当たらず、一見大きなトラブルが見つからなくても手足をせっせとなめることがあります。
そんなときは2つのアレルギーが原因として挙げられます。
1つ目はおなじみ『酸性肌アレルギー』。もう一つが花粉といったアレルゲンがくっつことで引き起こされる『接触性アレルギー』です。
なめないように…対策は?

この2つのアレルギーが原因の場合、その激しいかゆみのせいで「やめなさい!」と叱ってもどこ吹く風。
ワンちゃんは人の目を盗んで一生懸命なめることでかゆみと闘います。
でも、やりすぎて手や足のウラがパンパンに腫れ上がったり、血が出たり、手足の毛が抜け落ちてしまったりと症状が悪化していくことも。
おうちで何とかできないのかな…そうお思いの飼い主さんもいることでしょう。
何とかする方法、あります!
2つのアレルギーと一緒に見ていきましょう。
酸性肌アレルギーの場合
酸性肌アレルギーのかゆみは、過剰に分泌された皮脂が酸化することによって発生します。手や足のウラもお腹や胸などと同様に、皮脂が分泌されます。そして指と指の間、肉球の隙間に溜まりやすくなります。
中には皮脂がクリームのようになってべったりと指の間に潜ませているワンちゃんも。この皮脂が原因でかゆくてなめるということに繋がります。
まずはこのお肌にかゆみをもたらしている皮脂を取り除くことが先決です。
当院で処方するクレンジングや除菌シャンプーを使って皮脂を取り除くことで、かゆみを軽減することができます。
接触性アレルギーの場合
お肌が乾燥し水分が抜けていくこと、そこにかゆみを引き起こす『アレルゲン』がくっつくことで起こる接触性アレルギー。おうちの中は掃除できても、ワンちゃんはお散歩やドッグランでの運動など外を素足で歩きまわっている状態。
草むらなどに入ると手足を始め体にアレルゲンがくっつくため、かゆみを引き起こします。
この場合は、アレルゲンがくっつかないようにバリアすること、くっついたアレルゲンを洗い流すことが大切です。
お散歩に行く前に、ワンちゃんの手足に肌保護パウダーなどをはたいて出かけることで、お肌の上にバリアができ、アレルゲンがくっつくことを防いでくれます。
そして外から帰ってきたら、水やぬるま湯などでさっとワンちゃんの手足を洗い流してあげましょう。水にぬらしたタオルで拭いてもOKです。
全身に広がる前に
ワンちゃんが手足をなめるのには、冒頭の原因やアレルギーのほかにも「さみしい」「つまんないなぁ」「落ち着かなきゃ!」といった精神的な部分が関係しているケースもあります。飼い主さんで見分けるのは難しいかもしれませんが、こんなことはないでしょうか?
・手足以外にも体がベタベタする
・散歩から帰ってきた後によく手足をなめている
・目の周りや口周りも赤くなる
これらに覚えがあるときは、もしかしたら今回お話したアレルギーが関係しているのかもしれません。
そしてこれらのアレルギーを放っておくと、体の別の場所にもかゆみや脱毛といった症状が広がることに。
『どっちのアレルギーだろう?』
『アレルギーのせいなのか判断してほしい』
こんなモヤモヤを抱えていたら、ごとふで肌タイプをチェックしてみませんか?
ご来院でも分析キットを使ってご自宅でも、ワンちゃんのお肌トラブルの原因を検査できます。
今回お話した2つのアレルギー。同じアレルギーという文字がついていても、ケアは異なります。
まずはワンちゃんの肌タイプを検査、そしてワンちゃんのお肌の状態に一番合ったケアで症状を改善させていきましょう。
『足をなめすぎてお饅頭みたいになっちゃった…治してあげたい』
『原因を見つけて、なめるのをやめさせたい』
そんなワンちゃんの手足トラブル、当院で解決しませんか?