
犬のアレルギー治療
column
食べ物だけじゃない!アレルギーの原因
『アレルギー検査で小麦が引っ掛かって…』
『鶏肉のアレルギーがあって…』
アレルギーの原因として、よく挙げられる『食べ物』。動物病院のアレルギー検査で、特定の食べ物を食べさせないようにと言われるケースもあります。
しかし、原因であるはずの食べ物を食べさせていなくても、ワンちゃんの症状が治まらない…。
こんな経験ありませんか?
現在進行形でこの問題と向き合っている飼い主さんもいると思います。
それって本当は『食べ物』が原因のアレルギーじゃないのかも?!じゃあ何が原因で、ワンちゃんのお肌にトラブルが出ているのでしょうか?
今回はワンちゃんと飼い主さんを悩ませる、アレルギーの原因についてお話ししていきます。
2つのアレルギー

食事性のアレルギーももちろんワンちゃんでは起きますが、このほかに2つのアレルギーがワンちゃんのお肌でトラブルを起こします。
酸性肌アレルギーとアルカリ肌アレルギーです。
この2つのアレルギーに大きく関係しているのが『皮脂』です。皮脂というと、寝起きや夏の暑い日に顔がテッカテカになるアレです!
汚いなと思う人もいると思いますが、皮脂って意外と大事なはたらきをしているのです。
ワンちゃんのお肌は毛でおおわれていますが、毛穴の近くから皮脂が分泌されています。
この皮脂は、薄くそしてまんべんなく分泌されることで、ワンちゃんのお肌を紫外線や細菌から守る『バリア』のはたらきをしています。
通常「うすく、まんべんなく」分泌されるはずの皮脂ですが、ワンちゃんの中にはこの皮脂の分泌に異常をきたす子もいます。
皮脂が過剰に分泌されるパターンと、分泌されても少ししか出ないパターンの2つです。
まず1つ目のパターン。ドバドバと過剰に分泌された皮脂は、酸素や紫外線にさらされて酸化していくようになります。
酸化した皮脂はお肌に痒みをもたらすだけではなく、とんこつラーメンのようなニオイを放つようになります。これが酸性肌アレルギーです。
2つ目の『少ししか分泌されない』パターン。
本来であれば、お肌全体を守るはずの皮脂ですが、分泌される量が少ないために、守られる部分とそうでない部分とまだらになってしまいます。
皮脂が行き届かない肌だけの部分は、紫外線や細菌にさらされて炎症が起きたり、ブツブツが出来たりとお肌トラブルを引き起こすようになります。
これがアルカリ肌アレルギーです。
アレルギーの原因は?

酸性肌アレルギーとアルカリ肌アレルギーの原因は、先ほどお話した『皮脂』です。
分泌され過ぎること、全然分泌されないことが原因でお肌のトラブルを引き起こしているのです。
では、なぜ分泌に異常が出るのか?それはワンちゃんのある『体質』が大きく関係してるため。
『油を吸収しすぎる体質』と『油をほとんど吸収できない体質』です。
お肌に分泌される皮脂は、食べ物から摂った油などから体の中で作られます。
特にワンちゃんが毎日食べているカリカリのドッグフードには、ワンちゃんがおいしく食べられるように、その表面に油を吹きつけてあります。
油を吸収しすぎる体質のワンちゃんでは、食事に含まれるどんな油でも吸収しどんどん皮脂に作り替えていきます。
そのため、お肌のかゆみやベタつきといった酸性肌アレルギーを引き起こすのです。
逆に油を吸収できないワンちゃんでは、ドッグフードやご飯に含まれる油を体の中に取り込むことができず、皮脂を作り出すことができません。
皮脂が作られずお肌がさらされることで、パサつきや脱毛などアルカリ肌アレルギーが引き起こされることになります。
お肌に合わせた治療を。
動物病院で『食べ物のアレルギーです』と診断されたワンちゃん。でもアレルギーの原因である食べ物を食べていないのに、かゆみや赤み、脱毛などが治まらない…もしかすると、それは食べ物アレルギーではなく、この2つのアレルギーのどちらかなのかもしれません。
当院でどのアレルギーなのか、ハッキリさせませんか?
当院ではお肌の検査を踏まえて、薬を極力使わずに、ワンちゃんの体質に合わせた体に優しい治療をご準備しています。
来院が難しい場合でも、検査キットを使ってご自宅で検査を受けていただくことが可能です。(お問い合わせは下記へどうぞ)
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