
犬の心臓病
column
何が起きた?!突然の悲鳴!
ご飯が欲しい!早くお散歩に行きたい!
鳴き声でその要求を飼い主さんに伝えるワンちゃんたち。
活発なワンちゃんではワンワンと吠えたり、クンクン泣いたり、時にはウ~ッと唸り声をあげるといった機会が多いのではないでしょうか?
鳴いてさまざまな主張をするワンちゃんですが、悲鳴を上げることも。ワンちゃんの悲鳴は、いったい何を伝えようとしているのかご存じでしょうか?
そしてその悲鳴は、病気が関係していることも。
今回はワンちゃんが上げる突然の悲鳴についてお話していきます。
突然の「ギャン!」

突然ですが、日常生活においてどんなときに悲鳴を上げますか?ホラー映画を見たとき、台所に虫がいたときなど「びっくり」したときに声を上げてしまうという方は結構多いのではないでしょうか?
ワンちゃんの悲鳴は私たちと同じようにびっくりして…というのもあるとは思いますが「怖い」「痛い」といった感情を伝えていることが多いようです。
例えば、ワンちゃん同士で遊んでいる場合にありがちですが、相手からちょっと強く噛まれてしまうと「痛い!」と鳴いてやめてほしいことを伝えます。
では、一人でポツンといるときに突然「ギャン!」と鳴いたら?それは、体のどこかに痛みが出ているのかもしれません。
よくあるケースとして、肩やヒザなどの関節を痛めている場合や、腰や首が痛くなる「椎間板ヘルニア」などが挙げられます。
特に椎間板ヘルニアの場合、抱き上げようとした際や床に置かれたお皿に首を伸ばそうとしてギャン!と悲鳴を上げること多く、飼い主さんを心配させます。
でもワンちゃんが突然悲鳴を上げる痛み、実はこれだけではありません!
血の塊が飛んでいく!

またまた質問ですが、エコノミークラス症候群や脳梗塞という病気をご存じでしょうか?
どちらも血の塊(血栓)が血管を詰まらせ、詰まらせた先に酸素や栄養が行きわたらなくなるという病気ですが、ワンちゃんでも似たような病気が起こることがあります。
それが「血栓塞栓症」です。
特に、大動脈といった太く大きな血管に血栓が詰まることで、強い痛みを引き起こします。また、詰まった部分より先には血液が流れなくなるため、後ろ足が麻痺したり、血流が途絶えることで血色が悪くなるなどの症状が現れます。
血栓はいつ詰まるかわからないため、ワンちゃんは突然強い痛みに襲われ悲鳴を上げます。
もちろん、健康なワンちゃんが突然発症するわけではありません。血栓塞栓症には、様々な病気が関係して起こるとされていますが、中でも注意したいのが心臓病です。
心臓の中にある、血液の逆流を防ぐための弁がきれいに閉じなくなることで、心臓内で血液の逆流が起こります。逆流した血液はその場で停滞し血栓ができやすくなるため、血栓塞栓症にもつながります。
早めの受診を
いつもは物静かなワンちゃんが突然悲鳴を上げると、飼い主さんはビックリすることでしょう。でもそれはワンちゃんからの痛みのサインなのかもしれません。椎間板ヘルニアでもそうですが、悲鳴を上げるほどの強い痛みが出ている場合は1度病院で診察を受けましょう。
血栓塞栓症はワンちゃんではそう多い病気ではありません。問題はその前の心臓病です。
「最近、咳をするようになった」
「ちょっと歩いただけでお散歩をやめてしまう」
こんな症状がワンちゃんに出ていませんか?
また症状が出ていなくても、少しずつ心臓が蝕まれていることもあります。ワンちゃんが悲鳴を上げる前に、当院で心臓をチェックしてみませんか?
犬の心臓病でお悩みの皆さんへ!
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