犬の椎間板ヘルニア
column
強い痛みに!お薬と椎間板ヘルニア
首が痛い!腰が痛い!
元気に走り回っていたワンちゃんが、このような症状で急に元気がなくなると心配ですよね。
椎間板ヘルニアと診断されると、レーザーやお薬を使った治療が始まりますが、‘お薬’に抵抗感がある方も少なくないのではないでしょうか?
治療に使われるお薬は一体どんな効果があるの?
今回は椎間板ヘルニアの治療に用いられる『お薬』についてのお話です。
その痛み!なんとかしたい…。
天候が悪くなると頭痛がする、寒くなると腰痛が辛い…。私たち人間では、このような症状をお持ちの方もいると思います。
身体を温めたり、ストレッチをしたりと個人で対策をしていると思いますが、痛みがひどいとき、やむを得ず使うことがあるのが『お薬』ではないでしょうか?
早く痛みを何とかしたい、仕事に支障を来したくないなど『痛み』を取り除くのが目的ですよね。
ここからはワンちゃんのお話。
椎間板ヘルニアの特徴として『強い痛み』が挙げられます。トイレまで歩くのがやっと、床に置かれたご飯を食べるのがしんどい・・・。
痛みによって、いつもは簡単にできることができなくなるため、動くことさえままならないというケースもあります。
そのため、『元気がない』とか『ご飯が食べ辛そう』といった症状が飼い主さんの目に留まるのです。
強い痛み、早く何とかしてあげたいものです。
お薬のあれこれ
ワンちゃんが痛みに耐えている姿を見るのは、心がギュッとなりますよね。
元通り元気になってもらうために、病院ではレーザーを当てたり、リハビリ指導をしたりと治療を行っていくのですが、人間と同じく痛みに対しては、一時的にお薬を飲んだ方がいいということも。
どんなお薬なのか、簡単にまとめました。
ステロイド
『ステロイド』、どんなイメージがありますか?『身体に悪そう』『副作用が心配』と様々だと思いますが、一体どんな効果があるのでしょう?
椎間板ヘルニアが発生するとき、椎間板が飛び出して神経を圧迫する…というのが流れですが、実は椎間板が飛び出すときには、身体の中の免疫機能が反応して炎症に関わる物質が分泌されます。
また、通常の椎間板はクッションのようなはたらきをしていますが、性質が変化し傷むこと(変性)で炎症を起こしやすくなります。
椎間板の変性には、先ほどの炎症に関わる物質が関係していると言われています。
ステロイドを使うと、この免疫機能にブレーキをかけることができるので、この炎症に関わる物質の分泌を抑えることができ、痛みや炎症の緩和に繋がります。
よく見られる副作用として、水やご飯を食べる量が増えることがあります。
椎間板ヘルニアの際に処方されるステロイドは、短期間で飲み切ってしまうことが多いですが、長期間飲み続けると、多飲多尿や糖尿病のような症状が出ることもあります。
ステロイド以外のお薬
炎症や痛みを抑えるお薬は、ステロイドだけではありません。免疫を抑えるのではなく、炎症や痛みを引き起こす原因物質を作り出さないようにすることで、痛みを抑えることができます。
この種類のお薬は主に、何度も繰り返す椎間板ヘルニアのような慢性的な痛みに対してステロイドで効果が薄い場合に使用し、症状を和らげます。
ただし、ステロイドと同じようにお薬であることに変わりないので、食欲がなくなったり、嘔吐したりといったような副作用がでることもあります。
お薬頼み…にならないように!
いかがでしたか?今回は椎間板ヘルニアのお薬についてお話ししてきましたが、内服薬は飲ませることで痛みを緩和させるので便利なアイテムである一方、副作用もあります。
ちょっと考えてみてください。
私たちも解熱剤や鎮痛剤を1か月も2か月も続けて飲むなんてこと、しないですよね。
必要な時に飲んで、症状が治まったら飲むのをやめるように、ワンちゃんでもだらだらとお薬を飲ませるのではなく、病院で不要と判断されたらスパっとやめることが大切です。
それと同時に、なぜ椎間板ヘルニアになってしまったのか、おうちで原因を探してみてください。
原因が取り除かれなければ、薬やレーザーなどで治療しても椎間板ヘルニアを何度も繰り返し発症することになります。
お薬は正しく服用して、痛みからワンちゃんを助けてあげましょう!
当院の椎間板ヘルニア治療について
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