犬の椎間板ヘルニア
column
お散歩NG?ヘルニア時の運動
お散歩が大好き!
ほかのワンちゃんと遊ぶのが大好き!
お外で遊ぶのが大好き!おもちゃで遊ぶのが大好き!
こんなアクティブなワンちゃんは多いですよね。
でも『椎間板ヘルニア』になってしまうと運動に『ドクターストップ』が掛かってしまうことがあります。
ヘルニアになったら、散歩に行っちゃだめ?
運動したらだめ?
こんな質問が飼い主さんから寄せられます。
そこで今回は椎間板ヘルニアになった際の、『運動』についてお話ししていきます。
『安静』が必要なワケ
椎間板ヘルニアの診察に来た飼い主さんには、『安静に』と口酸っぱくお伝えしています。
でも病院から帰ったら、ワンちゃんに痛みがなさそうだったり普通にウロウロできたりすることから、安静という言葉がピンとこない、内心モヤっとする方もいるのではないでしょうか?
なぜ、動けるのに『安静に』する必要があるのでしょうか?
背中を丸めている、首が辛そうということで病院ではレーザー、自宅ではお薬を飲むなど椎間板ヘルニアの治療が始まります。
以前お話しした椎間板ヘルニアのグレードにおいて、グレード1の場合これらの治療を施すことで痛みがすぐに引いて、ワンちゃんも楽になることがあります。
特にレーザーを当てた直後から足の動きが良くなったり、姿勢が良くなったりすることはよくあります。
痛みがとれたみたいでよかった…。
飼い主さんは一安心ですが、問題なのはワンちゃんの方です。
ワンちゃんには椎間板ヘルニアのことや、その治療『レーザーを当てたから痛みが治まった』ということが分からないので、『痛くなくなったから、また元気に走り回っちゃお!』と運動する気満々な場合が多いのです。
せっかく痛みが和らいだのも束の間、この状態でいつもの激しい運動をすることで、痛みがぶり返したり痺れが出たりすることに繋がります。
見た目が良くなっても、身体にはまだまだ安静が必要なのです。そのため『安瀬に』とお伝えしているのです。
安静が必要なそこのワンちゃん、おうちで暴れ回ってないですか~?
室内のウロウロもNG?
『安静に』という言葉を聞いて、どのような状態を思い浮かべますか?
椎間板ヘルニアの場合、お散歩OKなこともあれば、必要最低限の移動のみに留めてほしい…ということもあります。
ここでは、ヘルニアのグレードと併せて運動制限についてお話しします。
お散歩OK!(グレード1相当)
お散歩OKと聞くと運動はしてよさそうだと思いがちですが、何でもトライしていいわけではありません。ドッグランに行って走り回ったり、他のワンちゃんや落ちているもの目掛けてダッシュしたりするのは止めましょう。いつもより落ち着いた、ゆるっとした散歩を心がけるといいでしょう。
走りそうだなと思ったら抱き上げる、リードを引いて注意を引き付けるなど、走り出さないように努力を。
走り回る・ダッシュの他に、ジャンプもNG!跳ばせないように気を付けましょう。
お散歩NG!(グレード2相当)
歩行だけのゆるっとしたお散歩もやめておいた方がいい場合です。かと言って家の中の移動もNG…というわけではありません。外出は控えて、室内をうろうろする程度に留めておきましょう。
前述の通り、ダッシュ、ソファやベッドに飛び乗るなどの行為も禁止です。
絶対安静!(グレード3以降)
とにかく動かないことが最優先!室内を自由にウロウロするのもご勘弁願いたいような状態です。場所を問わず歩き回るということを控え、ワンちゃんのサイズに合ったケージやクレート内で一日過ごし、動きをセーブするのが望ましいでしょう。
トイレはその都度出してあげ、終わったらまたケージに戻してあげましょう。
ワンちゃんのヘルニアのグレードによって、運動制限のレベルも変わってきます。椎間板ヘルニアの疑いがあるときには、まずは診察を受けて状態を把握しましょう。
グッとこらえて
お散歩や運動が大好きなワンちゃんと暮らしていると運動制限をすることに抵抗を感じる飼い主さんもいるかもしれません。
お散歩に行けなくて、ワンちゃんに不思議そうな顔をされたりするともう…心苦しいですよね。
でも運動制限は、永遠に続けなければいけないわけではありません。安静が必要な大事な時期に、しっかりと運動制限をすることで症状を治めることができます。
ワンちゃんが病気を理解できない代わりに、飼い主のあなたがストッパーとして、椎間板ヘルニアの再発や悪化からワンちゃんを守ってあげましょう。
当院の椎間板ヘルニア治療について
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