犬の椎間板ヘルニア
column
日常生活に潜む?!リスクと予防
『重病だと思って病院へ連れてきたら、椎間板ヘルニアだった』
こういった言葉を、飼い主さんから言われることがたまにあります。
『今朝から元気がない』『吐いている』といった症状から、内臓関係の重病だと思う人もいると思いますが『椎間板ヘルニア』も立派な重病。
程度によっては死を覚悟しなければなりません。
そんな怖い椎間板ヘルニア。
前触れなく突然症状が出ると思われがちですが、実は日常生活にリスクが潜んでいるって知っていますか?
日常生活のリスクを取り除くことで、椎間板ヘルニアの予防できたら…?
今回はリスクと併せて予防の仕方をご紹介します。
日常生活には『リスク』がいっぱい?!
ワンちゃんと生活していると、気付いたら椅子やソファーの上に乗っていたり、ベッドに飛び乗って朝起こしてくれる…ということはありませんか?
ワンちゃんはご存知の通り4本足で生活する動物ですが、興奮したときや、高い場所に上りたいときに、後ろ足で立ち上がってピョンピョンとジャンプすることがよくあります。
ですがこのジャンプ、椎間板に大きな負担をかける動作の一つで、椎間板ヘルニアと診断されたワンちゃんの多くはこの動作で腰や首を痛めています。
あなたのワンちゃん、ピョンピョンしていませんか?
また、最近の住宅はフローリングの床が多く、ワンちゃんの足はフローリングで滑りやすいのです。走り回って止まろうとするときに、滑らないように変に力を入れるため前足や首に大きな負担がかかります。
猛ダッシュからの急ブレーキで、首の椎間板を痛めやすいのです。でも、走り回らないように言ってもなかなか聞いてくれませんよね…。
今日から始める『予防』
ではそんな椎間板ヘルニアのリスクを、どのように防げばいいのでしょうか?
ポイントは『跳ばせない』と『滑らせない』、この2つを予防することが大切です。
跳ぶことへの対処法として、まずは『座って待つ』ということを覚えてもらいましょう。
興奮した際にピョンピョンしてしまうなら、一度『お座り』などのコマンドを出して、その場に座らせて落ち着かせます。
なかなか落ち着つかず、座らない場合は、いっそのこと抱き上げてしまうのも一つの手です。
ソファーやベッドに飛び乗る場合は、スロープを付けてあげましょう。段差の低い階段なども有効です。
次に『滑り』への対処方ですが、これはシンプルに『滑らないようにする』ことです。
例えば、ワンちゃんが生活する部屋の床にカーペットやラグなどを敷くことで、滑りを防止できます。
必要な分だけ敷ける『ジョイントマット』は、クッション性があり歩きやすく、防音にもなります。
とはいえ、家中どこでも探検してしまうワンちゃんもいると思います。家中に敷物を敷いてしまうのも手ですが、ちょっと大変ですよね。
もう一つ滑りを予防する方法があります。
それは『足裏の毛をカットする』です。
ワンちゃんの足の裏をじっくり見たことはありますか?手の甲の毛が伸びて指と指の間からはみ出ていたり、足の裏の毛がボーボーに伸びていたりしませんか?
足裏の毛も滑る原因!
自分で自分の毛を踏んでしまってツルッとなってしまうのです。
そろそろ爪切りかな…と思ったら、足の裏の毛の長さもしっかりと確認しておきましょう。自分で足の裏の毛まで切れない場合は、サロンで綺麗に整えてもらうと安心です。
足の裏の毛をカットするだけで、少しですが滑りを予防することができます。
できることから…
いかがでしたか?今回は『予防』のお話をしてきましたが、まだ椎間板ヘルニアになったことがないワンちゃんはもちろん、すでに診断されているワンちゃんでも、これらの方法で再発を防ぐことができます。
ピョンピョンや滑りに心当たりがある場合は要注意です。症状が出ないうちに、生活習慣を見直してワンちゃんを椎間板ヘルニアから守りましょう。