赤みや出血…それって炎症のサインかも?(犬の歯石取り)|ごとふ動物病院(福岡)

犬の歯石取り
column

2019.08.17

赤みや出血…それって炎症のサインかも?


自宅におけるワンちゃんのお口のケア『歯磨き』。
毎日欠かさず行っている人や、お口の臭いが気になって最近始めた人もいると思います。

そんな飼い主さんからよく聞かれるのが『磨くと出血する』ということ。ちょこっとだけの出血でも、それはもしかしたら炎症が起きているサインなのかも!?

しかも炎症のサインはこれだけではないのです!

今回はお口で起きる炎症についてお話ししていきます。

 

どうして起こる?痛ーい炎症


お口の中で起こる炎症の原因はさまざま。口内炎ということもあるし、歯が折れてそこから細菌が入り込むという場合もあります。

ですが、原因として多いのは歯周病。歯周病の原因は、お口の中の『菌』。

ワンちゃんのお口の中には、細菌が常時存在します。

善玉菌がたくさん、悪玉菌がほんの少しというのが理想の口腔内の環境ですが、何らかの理由で善玉菌がいなくなってしまい、悪玉菌がワイワイと増え続けることがあります。

悪玉菌まみれになると、平和だったお口の中の環境が一変して、歯肉や口腔粘膜に悪さをするようになります。

中でも桿菌やらせん菌と呼ばれる菌は、歯と歯肉の境目にくっついて毒素を出すようになります。

この毒素が歯肉や血管を攻撃することで、歯肉が腫れたり、歯ブラシで擦っただけで出血するなど炎症としてのサインが現われるようになります。

サインはこの2つだけでなく、例えば『歯肉のふちが赤くなっている』や『触ると痛がって鳴く』なども含まれます。

あなたのワンちゃんにこのサインは出ていませんか?

 

サインが出たらどうしたらいい?

炎症が出ていると、痛みや腫れでご飯が食べられなくなることもあり、日常生活に影響を及ぼすこともあります。

ワンちゃんのお口に、炎症が起きているサインが出ていたら、まずは病院で診察を受けましょう。

先ほどお話しした通り、炎症の原因はさまざまなので何が原因なのか調べます。ワンちゃんの歯垢を取って顕微鏡で見ることで、善玉菌や悪玉菌の量や種類を把握することができます。

歯周病で炎症がひどく、お口が触れないときは内服薬で体の内側から、そうでない場合には、歯茎に直接塗るお薬で外側から痛みや腫れなどを取ってあげましょう。

その後、必要であれば歯石取りを実施し、歯周病菌を減らすお薬や歯磨き剤を使って、お口の状態を元の平和な環境へ戻していきます。

 

症状がひどくなる前に。

ワンちゃんのお口を触り慣れていない人や、おうちでは噛まれるから触れないという飼い主さんでは、なかなか気づきにくいとは思います。

しかし、最近ご飯を食べるスピードが遅くなった、おもちゃで遊ばなくなったなど、生活の変化からお口の中に炎症が起きていると判明するパターンもあります。

サインが出たときは、できるだけ早く病院で受診することが大切です。

炎症の原因が歯周病なら、早く治療を開始するに越したことはありません。歯周病は知らない間に悪化していき、最終的にはすべての歯を失うことがあります。歯を失うことで、顎を骨折することだってあります。

そうなれば、今出ている炎症とは比べ物にならないほどの苦しみが待っていると言っていいでしょう。

どんな治療をするのか不安、ワンちゃんが痛い目に遭わないか心配…炎症のサインをキャッチした飼い主さんの中には、こんな不安を抱えて受診を迷っている人もいると思います。

まずは当院でお口を診察してみませんか?スタッフがあなたの不安をじっくり聞いて、必要なケアのお話をさせていただきます。

サインが出たら病院へ。

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