歯周病がもたらす様々な病気

2014.01.11

日本で飼われているワンちゃん達の約80%は程度の差はあれ何らかの歯周病になっていると言われています。

歯周病の原因は、歯周ポケット内に溜まった歯垢が石灰化し、歯石になったために起こります。

初期症状は、歯周ポケット内の歯石によって炎症が起き、歯肉が真っ赤に腫れあがります。その状態を放置しておくと、さらに歯周ポケット内に歯石が溜まり、その歯石によってポケットが押し広げられ、歯がグラグラと動揺し、最終的には抜け落ちます。

歯周病のトラブルはそれだけではありません。

歯周病を起こす歯石は、細菌を多く(歯石の約75%は細菌でできています)含んでいます。この細菌は、歯の土台となっているアゴの骨を溶かす力があり、下アゴでは、アゴの骨が溶けすぎて、骨が折れてご飯が食べられなくなります。上アゴの場合は、目の下の骨が溶け、膿がたまり(眼窩下膿瘍)、ブドウ膜炎という失明するような眼のトラブルを起こすこともあります。

これだけではありません。炎症が起きている歯肉の血管はもろく、すぐに細菌が入ってしまう特徴があります。血管の中に細菌が入ると、この細菌が全身へと散らばり、腎臓や心臓、肝臓に重篤なトラブル(腎不全・心不全・肝不全)を起こします。

実際、重度の歯周病のワンちゃん達は、歯周病のないワンちゃん達より心臓病が多いという調査結果もあります。私も歯周病の子は心臓が悪いなということを実感しています。

つまり、歯周病は、歯が抜け落ちたりという歯科トラブルだけでなく、アゴが折れたり、目の下から膿が出たり、心臓病、肝臓病、腎臓病などの原因となり、ワンちゃん達の命をむしばんで行くのです。

歯周病ケア(歯石ケア)を定期的に実施すれば、これらの問題を起こすことはありません。

ワンちゃん達の健康的な生活のためにも、お口の中を少し観察して、必要であれば当院の診察・処置を受けさせてあげてください。

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